私はよく古い本を読むのが趣味です。
それこそ教科書に載っている様な古いものを。
最近では若者の活字離れといわれているように私の周りにも小説について話せる人はほとんどいません。
寂しさから、せめて趣味仲間が出来ればと思い、出会い系サイトに登録していました。
いつも通り、プロフィールの項目を流し読みしながらサイトを見ていると、1人の自己紹介文が目に留まりました。
その自己紹介には私のプロフィール項目にも載っているお気に入りの小説のタイトルが載っていました。
詳細なプロフィールを見ると同じ地域の企業に勤めている22歳(同い年)の写真を見る感じでは童顔で小動物ぽい雰囲気の女の子でした。
趣味にはばっちり読書の表記と名作といわれる小説のタイトルが2、3個載っていました。
趣味友達ぐらいになれたらいいなと思い、ダメもとで「僕もその小説好きです。他の作品も読まれているんですか?」とメッセージを送りました。
数日間返事はなく、ナンパか何かに思われて流されたんだろうと思っていた時、彼女から返信が来ました。
「返信遅くなりました。この小説知っている人久しぶりに会いました。他の作品も全部読みましたよ~。他にどんな小説読まれます?」
そこから、どんどん話は広がり、お互いのおすすめの小説紹介をしながら1週間ぐらいメッセージでのやり取りが続きました。
趣味の話をしていくうちに彼女とはだんだん仲良くなり、連絡を取り始めて2週間ほどで会うことになりました。
(ゆっくり本の話をしましょうという理由で)それまではずっと本の話ばかりだったので改めてお互いの自己紹介をしました。
彼女は他県から就職を機に一人暮らしを始めたようで、まだ周りに趣味の話ができる様な友達がいなく、友達作りのために出会い系サイトを始めたとの事でした。頻繁に利用しているわけではなく、暇になった時見るといったライトユーザーでした。
そのせいで返事が遅くなったようです。
連絡先も交換して、お互い住んでいる地域の中間地点にあるほどよく栄えた駅で待ち合わせをしてご飯でも食べようと約束をしました。
約束当日、季節はすっかり冬で18:00でも辺りは真っ暗になっていました。
駅から歩いて3分ほどの場所にあるコメダ珈琲の前で待ち合わせし、初めて生で見る彼女はマッチングアプリの写真よりもさらに幼い感じでした。
身長はプロフィール通りの150cm前半、全体的にほんわかとした雰囲気は写真通りでした。
こんなゆるふわな女の子がお堅い小説をよむんだなぁと驚いたのをよく覚えています。
お互い仕事終わりで晩御飯をまだ食べていなかったので事前に相談して決めた、野菜鍋を食べに行きました。
最初は初めて会ったので、お互いが敬語というなんか固い雰囲気でしたが、おいしい鍋とお酒と満腹感で徐々にタメ口に。
ちなみに会話は9割が本の話。
どの本が面白かった、つまらなかった、最近の話題作は面白かったか、とても久しぶりにがっつりと趣味の話をしました。
食べ放題の90分が過ぎ、席の120分が過ぎてもまだまだ話したいことばかりだったので2件目へ。
移動途中にちょっと本屋に寄るつもりが30分も寄り道してしまいお互いに呆れて笑ってしまいました。
本当に本が好きだね~なんて笑いながら2件目もしっかり趣味の話、後半はお互いの仕事や恋愛の話をして、次のデートの約束をしました。
2回目のデートでは1回目よりもさらにプライベートな話もして仲良くなり、私のほうから告白し無事付き合うことになりました。
普段の生活じゃ、絶対会えないような古く、お堅い本好きの同い年の女の子と知り合う事ができて、良い出会いだったと今になって思います。
以上、本好きの女の子ととことん本の話をして付き合った体験談でした。
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